ロンパ/V3プレイ日記22(クリア後-首謀者の真実のその向こう)
2017年03月04日(土)
作品の考察なんて客観的なものではなく、あくまでプレイ日記、非常に個人的な物語体験記。妄想とも言う。
二週目とかおまけ要素やったり、他の人の考察感想とか読めば違ったものも見えてくるかもしれないが、それはまた別の物語というか、初見プレイ時のゲーム体験というのを大事にしておきたい。
▼以下ネタバレ全開注意。
(追記・首謀者としての白銀さんも大好きだし、まずあれが彼女の真実であるというのが大前提) 白銀さんに入れ込み続けたキモオタ渾身のクライマックス推理が火を噴くぜ!
▼究極のなりきり厨
プレイ日記14で「プレイヤー首謀者説」を考えていた。絶望を求める江ノ島も、それを打ち破る主人公になりたがる狛枝も、我々プレイヤーの中に存在するのだ、的な。
日記19では、首謀者と明らかになる前の白銀さんに自分が入れ込んだ理由として「プレイヤーが物語に感情移入してる時と絶妙に同じ目線」で、地味な共感が積み重なったからかなと考えた。そしてコロシアイを面白おかしく楽しむ(これもまたプレイヤーと同じ目線である)モノクマと表裏一体であることに大納得してしまった。
白銀さんはフィクションに命を懸けた人だった。ダンガンロンパこそが彼女にとっての全てだった。そして彼女は江ノ島になりきりモノクマと化した。
しかし同時にコロシアイの参加者でもあったんだ。この作品においては赤松さんや最原くんだけではない、キーボくんも夢野さんも春川さんも、きっと他の皆だって、誰もが主人公だ。百田くんもそんな事を言っていた。
ならば白銀さんも、モノクマと化すと同時に「主人公」と化していたのではないか?
なんせ彼女の大好きな命を懸けてるダンガンロンパの世界だ、全力で入れ込まないでどうする?
という結論ありきで、根拠となりそうな部分をだらだらと振り返ってみる。
(ただし日記読み返したりはしたけどうろ覚え。論破ポイントもあるかもだが結論を変える気はない)
▼モノクマと白銀さん
白銀さんとモノクマがどの程度リンクしているのかいまいちわからないが、基本的に同一視して考えていく。(トンデモ技術のある世界だしと、正直ここは深く考えてない)
最初の頃の白銀さんはあくまで「参加者の中に紛れ込んだ首謀者役」でしかなく、仲間意識も無かったかもしれない。初対面時なんか赤松さん達をガン無視してたりちょっと失礼な人だった。
だが一章裁判後、皆が赤松さんの事で悲しみに暮れている中「被害者の事忘れてない?」と指摘したのはモノクマだった。天海くんを殺したのは結局白銀さんだったわけだが、もしかしたら罪悪感があったのかも?(一応可能性として「首謀者は天海くんを殺してない説」もなくはないのだが、後述)
二章でもモノクマは同じように指摘した。どちらもちょうど自分が「被害者の事も悲しんでやって…」と思った時だったので、今回のモノクマは話がわかるやつだななんて思ったりした。
▼三章のモノクマと白銀さん
三章でモノダムがモノクマの座を乗っ取っていた間、モノクマはショックで禿げており、白銀さんはアンジーちゃんに洗脳されていた。あれは演技ではなく本当に洗脳されてたんじゃないか?
モノダムと言えば二章で動機ビデオを皆の部屋に戻す際、白銀さんは「その子ならなんとなく信用できそう」と言って任せる事を承諾していた。首謀者にとってモノクマーズがどういう存在なのかよくわからないが「世界をコスプレ」の一環であるなら、やはり可愛い我が子ではあるかもしれない。
そんな可愛がり信用していたモノダムに反抗され、傷心の所をアンジーちゃんに付け込まれたのではないか。アンジーちゃん強い。
洗脳されていたとしたら、あの時白銀さんは首謀者としての役目を本気で放棄していたのかもしれない。
動機(仲良くなるための、なので生徒会として実行しようとした?)や監視なんかはモノクマーズがやっていた。アンジーちゃんが殺された時、もうコロシアイが起きると思ってなかった白銀さんには犯人が誰だかわからず、だから転子ちゃんをガチで疑っていたのでは。直後に転子ちゃんも殺され疑った事を後悔していたが、裁判と関係ない展開なような、となんとなく気になっていた。
モノクマが復活した際に、やっと監視の内容なんかを引き継いだとか?
▼王馬くんから見た白銀さん
嘘つきを見破るのが得意な王馬くんに「白銀ちゃん何か隠してない?」とか指摘された場面は無かったと思う。それどころか会話らしい会話あったっけ?
「嘘つきを暴くには徹底的に煽って煽って追い詰める」のがモットーの彼が空気として扱ってたのなら、特に怪しく見てなかったはず。
「王馬くんよりもコスプレイヤーとしての演技力が上手だった」とも言えるかもしれない。でも王馬くんはモノクマをも出し抜くような奴だしどうだろう。
白銀さんがゴン太くんを信じ庇おうとしたのも、彼のために泣いたのも、少なくともモノクマ絶対殺すマンモードの王馬くんの目には本物に映っていた。それだけは間違いない。
▼四章のモノクマと白銀さん
王馬くんに「盛り上がるから」と言われて提案を受けたものの、モノクマは何故か盛り下がっていた。
王馬くんの真意にばかり気を取られてたのであまり気にしてなかったが、理由きちんと説明あったっけ?プレイヤーの自分としては超絶盛り上がったのになあ、とは思ったんだけど。
あれは「王馬くんのせいで、予想外にもゴン太くんがクロにされてしまった」ためだったりしないだろうか。
完全に首謀者として動いてるなら誰がクロになっても構わないはず。「外の世界の代弁者」であるキーボくんだって、ゴン太くんを疑うべきだと主張していた。きっと外の世界は絶望的な展開に大盛り上がりだっただろう。
でも「仲間」としての白銀さんの「優しいゴン太くんがそんな!」という気持ちが、モノクマに侵食してしまっていたのではないか?
最原くんの嘘の不自然さを飲み込んだ時。あの時はちょろすぎワロタで済ましてたが「やっぱり最原くんを信じることにする。今までの事もあるしね」というセリフは、今までの事件での最原くんの嘘を、それが良い方に転んだのを、把握してるからこそのものだろう。
ゴン太くんを庇うため、最原くんに王馬くんを追い詰めてもらって、あわよくば一章のように王馬くんをクロに仕立てる不正をしようとしたか。それともただセリフ通りの「仲間としての信頼」か?
(関係ないがあの時最原くん的には「白銀さんちょろそうだしゴリ押せるだろ」と思ったのか「僕を信じ、合わせて嘘をついてくれるはず」と信じたのか)
▼五章のモノクマと白銀さん
「モノクマが仲間に加わった」はただのギャグではなく、あの時本当に「仲間」になったのでは?
モノクマにもクロがわからない状況、「皆で一緒に考えよう!」はガチであり、カメラアングルがどうのは白銀さん渾身の推理だったんだ。同意はできなかったがいい線いってて、コスプレイヤーならではの目の付け所だと夢野さんに褒められていた。
そしてモノクマは「超高校級の探偵の推理に乗っかれば大丈夫だもんね」と高をくくっていた。
というのはつまり「白銀さんが最原くんの探偵としての力を信じていた」という事だ。
百田くんが「終一なら真実を見抜いてしまうと信じてた」と言うのは熱いシーンだが、ならば白銀さんのそれだって熱いものと言えなくは…?
百田くんが出てこないままだったら、モノクマとしてはどうだかわからないが、白銀さんとしては最原くんの最後の嘘に、嘘だとわかりつつ乗ったかも…というのは完全に妄想だが、前述の四章の時のことを考えるとどうだろう?
そして百田くんのおしおきだ。「最期に宇宙に行かせてやるとかご褒美では」とか思ったけど、まさにそうなんだきっと!
おそらく本来は「宇宙から一番遠いマントルで死なせる」という皮肉なものだったんだ、最初見た時そう思ったし。でも百田くんの熱血魂に心打たれて、予定変更でそのまま地球の裏側へと掘り進んだと。
(土壇場でもそのくらいの変更ならできるだろう、トンデモ技術のある世界だし。そもそもおしおきというもの自体、霊とか出てきて深く考えたら負けな荒唐無稽なものだし)
おしおき台無し後のモノクマの「ぐぬぬ」みたいなリアクションがモノクマっぽくないというか、実にわざとらしかったのもそのためでは。
▼六章捜査時のヒント大放出
キーボくんが校舎を壊してくれたおかげではあるが、それにしても不自然な程のヒント大盤振る舞いだった。一章の時の砲丸やらモノパッドやらが未だにわかりやすい所に放置してあったのも、油断してたにしてもわざとらしい。
特にマザーモノクマの最後のヒントなんて「首謀者を暴いてくれ」と言ってるようなものだ。
モノクマの様子も余裕綽々だったし、その後江ノ島の姿で語ったように、わざと全てを明かすことで外の世界も含め絶望させようとしたんだろう。ゲームを台無しにすることで。
「ゲームを台無しにする」それはまさに五章で王馬くん達が、六章で最原くん達がやろうとした事ではないか?
「めちゃくちゃでこそダンガンロンパ」とは言っていたが、正直プレイ中は「別にこんな超展開求めてないよ」と思ったりした。視聴者のコメントにもあった気がする。「白銀さんが意図的に用意した超展開」なので作品として批判する気はないが。
ちなみにこれらの解釈をすると、五章が「失敗したように見えた王馬百田のゲーム台無し計画は、首謀者白銀の心を動かす形で見事に大成功していた」という話に変貌したりする。
▼六章捜査時の白銀さん
捜査中の絆パワーを集める演出は「リアルフィクションのV3」ではなく、現実の「Vita/PS4のV3」のもののはず。あの時、こんな演出しといてこの中に首謀者居るとかまさかな…と思ってしまったが、実際はそのまさかだった。なら何故直前にこんな演出が?
この時白銀さんはやけに「皆で一緒に力を合わせて」的な事を言ってたと思う。モノクマに歯向かった王馬くんすらも含めて「死んだ皆が応援してくれてるみたい」と好意的に言っていた。当たり障りのない地味なセリフといえばそうだ。でもやはり、これまで書いたもろもろを合わせて考えると、本心からの言葉だったのではないだろうか?絆は確かにあったのではないか?
まあ「赤松さんに双子が〜」とか言い出したり、遅効性の思い出しライトで偽りの希望を持たせたりはなんなのかっていうのはある。そこはあくまで「首謀者」としての行動か。「仲間」と「首謀者」、両方やらなくっちゃあならないってのが辛い所だったのかもしれない。
探偵最原くんの力を信じてるのなら、ヒントは出しまくったし簡単に見破られるとは思ってるはず。
ちなみに絆パワーを得た時のキーボくんは「アンテナの無い状態」で、視聴者のアンケートに惑わされてないキーボくん自身との絆だったはず。
白銀さんがアンテナ復活したキーボくんを睨みつけていたのは…?復活させたのはモノクマ側だが。
▼首謀者指摘時の白銀さん
ここで「首謀者は天海くんを殺してない説」だ。
正直これに関しては「一章ならまだ仲間意識薄いしやっててもおかしくない」「最原くんの推理が間違ってるとは考えづらい」とかで、自分でもどうなんだろう?とは思ってる。だが最原くん自身「僕の推理は間違ってるかもしれない」と白銀さんの反論を待っていた。
今まで書いたような解釈でいけば、繊維の付着した砲丸も「最原くんに裁判をひっくり返してもらうため」後から用意したダミーの可能性はある。砲丸をゴミ箱に捨てるというのも違和感はある。
一章では「あんな重い砲丸を投げて殺せるのなんてゴン太くんくらい」という話があった気がするが、自分より身長の高い相手の頭に砲丸振りかぶって撲殺即死…白銀さんにできるだろうか?意外と怪力なのかもしれないが。
「モノクマでモノパッドを回収できなかったのは校則違反だから」としながら「コロシアイを続けるためクロをでっち上げる不正をした」というのもなんだか変な話だなと気になっていた。
白銀さんがやったのはモノパッドの回収だけで、天海くんを殺してはいないのかもしれない…?やっぱりそんな気もする。
白銀さんが反論しなかったのは何故か。元々ネタばらしが目的だから必要ない、とは言えちょっと気になる様子だった。
「皆の力で首謀者を暴いた」んだからそこに反論なんていらない、でもこれから「首謀者」として前面に出なければならない事に「仲間」としての白銀さんの中で引き裂かれるものがあったのかもな、なんて。
▼首謀者モード時の白銀さん
正直白銀さんに心のサイリウム振るのに必死すぎて、把握しきれてない部分が多いが。
白銀さんが語るには、彼女は最原くん達とは違い外の世界の事を知っている、このゲームを作ったスタッフ側の人間だというのだが、思い出しライトは彼女も一緒に浴びている。プロローグの才能付与の現場にも一緒に居た。
「首謀者である超高校級のコスプレイヤー白銀つむぎ」というのもまた、最原くん達と同じくリアルフィクションの存在なのかもしれない。
だとすると外の世界にこのゲームを作った真の黒幕が居るはずだ。
ゲームが破綻していく中その黒幕の介入が無かったという事は、理論武装で視聴者達と同時に説得されたという事になる。
そして「首謀者白銀」のコスチュームもまた、あの理論武装で破壊できたのではないか?春川さんも指摘していたが、この辺のシーンはコスプレではなく白銀つむぎとしての姿が多かった。
投票放棄したのは、やっぱり仲間として、「主人公白銀つむぎ」としての行動なんじゃないか?
少なくとも自分はあの瞬間そう感じた。
そしてゲームを台無しにするのであれば「首謀者が改心しました」なんて綺麗なオチを付けてはいけない。翻したのはそのためか。
▼白銀さんとプレイヤー
しかし「フィクションの中ですらコロシアイを楽しめない世界なんて…こっちから否定してあげる」というのも本心ではあると思う。
超高校級のコスプレイヤーとして、ロンパに命を懸けたオタクとして、江ノ島になりきる事も主人公になりきる事も、白銀さんの真実だったんだと思う。
白銀さんの内面で、「主人公」と「首謀者」としての自分同士の戦いが繰り広げられていたのかもしれない。
だとしたら。
プレイヤーである自分は、最原くん達の「ダンガンロンパを否定する!」という展開に熱く感情移入しながら操作しつつも、「でもやっぱりロンパ好きだし、新作出たら買っちゃうよごめんな」という冷めた気持ちも同時にあった。別に「リアルフィクション」と「ただのフィクション」は違うんだから当然だが、しかし葛藤と言う程でもないがちょっとした罪悪感は生じた。
次元の壁越しに最原くん達の物語を見続けた自分が、コントローラーを握ってる間だけでも「彼らは確かに生きている」と少しでも錯覚したからこそだろう。これが「フィクションの力」なんだとしたら、リアルフィクションの中で直接仲間として過ごした白銀さんはどうだったのか?
「最原くん達と敵対しながら、しかし彼らを肯定する」というあの時の自分の心情に一番近かったのは、白銀さんだったんじゃないか。
あの時だけじゃなく、自分は冒頭でも書いたように最終裁判が始まるまでの間もずっと、白銀さんに地味に地味に共感を積み重ねてきていた。もしここまで書いてきたような解釈をしていいのなら、あれは「演じてただけ、騙されてただけ」などではなかったはず。
操作はできないが、自分にとって白銀さんは紛れもなく主人公のひとりだったんだ。それも「成長型主人公」だ!
コス”プレイヤー”…とか今思いついたけど、うーん…?
▼白銀さんの最期
「模倣犯」に関してはちょっとよくわからない…(最後の最後で)
最原くん達が解釈したような事かもしれないし、そう希望ある解釈ができるようにという、白銀さんなりの「優しい嘘」だったのかもしれない。希望ヶ峰世界ではないと思うので、後者だろうか。
おしおきの最期の表情は、さよならダンガンロンパか、仲間達への何かしらの想いか、とにかく「白銀つむぎとして絶望に悲しみながら」死んだ。彼女は結局「絶望を愛する江ノ島盾子」になりきることはできなかった。
▼要するに
才囚学園でのコロシアイ生活の中、白銀さんが皆と仲間として過ごした日々での感情や絆は、彼女にとって「本物」だったんだと信じている。
最原くん達との絆パワーは確かにあったんだ!
そしてやっぱり自分は白銀さんが大好きだ!!!
それが自分がこの一ヶ月半ねっちりかけて体験した物語の「真実のその向こう」としてひとまず終わる。
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