ロンパ2舞台(2015)感想1

ネタバレ全開・主観入りまくり・覚え違いあるかもなので注意。
部分的にしか書けてない。
2回目観劇以降の追記は色文字。

▼役者さん

事前に公開されてたビジュアルからしてクオリティ高くて、キャラ達が三次元になってる!!って興奮してたんだけど、目の前で動いて喋ってると完全に「生きてる…日向くん達は生きてる…」みたいになってもう駄目だった。
演技が特に凄かったのは狛枝くんと罪木さんで、二人共豹変後がめっちゃ怖くてエロくて良かった。
女性陣は声も結構似せてたのか、元々似てる人を選んだのかもしれないが、再現度高い人多かった。
終里さんがスラっとした長身にガキっぽい挙動のギャップが可愛くてカッコよくってマジ終里さんですありがとうございます!ありがとうございます!
七海さんが最初ん?ってなったけど、AIだしちょっと浮いてるくらいで正解なんだよな。テンポ早い中でのおっとりキャラだし。それでもだんだん気にならなくなって最後には感動してた。
眼蛇夢くんが話すたび、どころか関係ない時も後ろでいちいちポーズ取ってたりして最高すぎた。

ただ、今回の舞台全体で唯一はっきりと不満と言えるのが弐大くんの人。
見た目があんま似てないのは特殊な体格のキャラだし仕方ないと思ってたけど、キャラ崩壊なアドリブ?のギャグ入れまくって、しかもあんま面白くない…滑舌も悪くて見せ場の台詞もよく聞き取れない…どうしてこうなった…
弐大くんはちょっとデリカシー欠けてるだけでネタキャラじゃない熱い漢なのになあ。
脚本上の扱いは悪くなかったけど。
(※2回目見たらこっちが覚悟済みなせいかわからんがマシに思えた。でもやっぱり勇ましい弐大猫丸ではなく、気の抜けたアホっぽい口調のおっさんでしかないのは変わらず)

▼気になるトワイライトは

とりあえず事前に最も気になってた、2章絡みの扱いから行こう。
原作からして既にgdgd、だが考察(という名の妄想)しがいがあって闇深い…みたいな認識だったから、それをどうまとめるのか、改変するのか、サトウさんは出るのか…辺り。

サトウさんは…出た。九頭龍妹役で。(?)
「九頭龍の妹の死体の写真」として出てきたのが、あの原作のサトウさんの実写写真!
どういう使い回しだよ!!!って笑い転げたくて我慢するのが辛かった。
全然似てそうにない兄妹だなあ…
で「サトウ」にあたるキャラはというと、出なかった。トワイライトゲームはばっさりカット。
ややこしくなるだけなんで、まあ仕方ないなと思った。
いや、写真は、笑うしかないけど。
矛盾AAみたいな趣きがあって思い出す度に笑うんだけどどうしてくれる。
(■我慢できずに作った)

▼小泉さんの罪については

妹の死体写真を渡され「撮ったのは小泉」とモノクマから聞く→テメェが殺したのかどうなんだゴルァ!な流れに改変。
「記憶はないけど確かにアタシが撮ったもので間違いない。でも”現場の状況を記録して犯人を見つけるため”の写真だよ。自分の写真のことくらい見ればわかる」
と誤解であるらしいことが判明する。
原作であった「小泉の罪(親友との庇い合い)」に関してはスルーされている。
ここは非常に残念ではある。自分が小泉さんのことが気になって仕方ないポイントがまさにそこだからだ。
正義感の強い子なのに過去にそんなことを…という闇深さというか、なんというか…
ただ、原作でもそれ以降その闇に触れられることは無かった。西園寺さんも七海さんも日向くんも皆「小泉良い奴だったよな」で終わってる。
だから、尺の短い舞台ではいっそ最初からスルーというのも仕方ないかもしれない。

しかし別に「過去にそんなことは無かった」と明確に否定されてるわけではない。百合厨は諦めない。
原作よりも与えられてる情報が絞られてるだけで、サトウさんという重い親友は居たのかもしれないし、小泉さんはその親友と後ろめたい庇い合いをしたのかもしれない。
妹を殺した犯人が結局誰だったかは明らかにされていないのだ。
だから、こんなの俺の知ってる小泉さんじゃないやい!みたいな拒否感は無く受け入れられた。でも良い子な面しか描かれていない。そこが物足りなくて残念ではある。
「原作のgdgd感を持ち込まず、原作のキャラも壊さず」とするにはまあ、ベストではないがベターかなという感じ。
正直もっとひどくなるパターンを心配しまくってたから…

▼クズペコの罪と罰

原作でのクズペコは、好きだけどモヤモヤするところはあった。
原作では小泉さん側にも非があり、九頭龍くんには復讐心が(迷いはありつつも)あり、そこをペコちゃんが主の代わりに殺害した、という図だった。
この「復讐の正当性」の是非についてが興味深かったのに、その後投げっぱなしになるのでモヤモヤ…
一方舞台では何の罪もないと明らかになったはずの小泉さんを(※ここで九頭龍は殺意が萎えていたのにペコが割り込み)勢いで殺害。
(※つまりペコちゃん的には「ぼっちゃんをここから逃がすには今しかない」とか思ってたんだろうか)
「ペコが勝手なお節介をした」というのが強調されてた印象。だからもう復讐がどうとか正当化は何もなく、清々しく一方的にただのクロ。なるほど。

原作の「小泉の死体を前にしたメロドラマ」のグロテクスさは、舞台では「一方的な被害者である小泉の死体、横に立つ西園寺、その手前(と上のモニター)で繰り広げられるクズペコ劇場」と一層際立つものになっていた。ここはとても印象的で、自覚的な演出であれば凄く良かったんだが、どうだろ。考え過ぎかなあ。
こういうグロテクスさ自体は嫌いではなく、うまくやればむしろ好きなんだけど、原作では無自覚にただの感動シーン扱いっぽかったのが…

キラキラちゃんはカット。そりゃまあ。
ペコちゃんのオシオキで「私はただでは死なん!」と自分の意志で無双してたのは「どうせ死ぬならモノクマ倒すのにワンチャンかけた」ということだろうか。
自分の意志で奮起した結果、守りたかったぼっちゃんに傷を負わせることになってしまったと。
この改変は熱くも苦くて好き。
九頭龍くんが復活後、ペコちゃんの竹刀背負ってたのも凄く良かった。
小泉さんや西園寺さんについては一切触れなかった気がするが(触れてたらごめん)、そのくらいの方がいっそ清々しくていいと思ってる。

▼ひよまひの描写

ひよまひ、に限らずコンビ系はプロローグから仲良しになってたので、イチャイチャシーンは結構多かったので癒やされた。手繋いでたりニコニコし合ってたり。可愛い。
というか出会って間もなく「帯結べないし…」のやりとりからの「おねぇ大好きー!」はいくらなんでもちょろすぎだろ可愛い。
さすがにちゅーや洗いっこは無かった。あったら死んでた。

九頭龍くん復活は3章冒頭ではなく、二人の死体発見後の登場に改変。そのため「九頭龍を許せない西園寺」の描写が少ない。
ただこれも原作ではなぁなぁでうやむやにされかけてたから…こうやって触れないほうがいっそ良かったのかもしれない。補完してくれたら最高なんだけど…尺がねー。
その代わり、小泉おねぇを想う西園寺さんの描写はちゃんとあった。むしろ余計なことを考えずそっちに集中できたとも言える。
祭壇こそ無かったものの、まず2章で「おねぇの写真はキラキラしてて好き!」と言ってて、その後の3章のカメライベントで(※小泉さんのカメラ、そしてもっと皆の写真を撮りたかっただろう思いを引き継ぎ)「おねぇの代わりに写真を撮りたい」と、悪態ばかりついてた西園寺さんが小泉さんとの触れ合いを通じて変化したことを、しっかりと印象付けてくれた。
んーでも正直もっと欲しかった…ひとりでできるもんとか…やっぱ祭壇も…(ひよまひ厨)

祭壇といえば。
毎回死体には、血と禍々しさの表現なのかピンクの渦のような照明がくるくると当たってたと思うのだが、2章の最後暗転する前くらいに小泉さんの死体に当たってたのは黄色の照明で、なんというか、あれ、祭壇?って思って、「横に佇んでた(ような気がする)西園寺さんの小泉おねぇへの弔いの心情」みたいな演出に思えたのだけど、気のせい…?
気のせいだなきっと…他の章でもそうだったかもしれないし、幻覚だったかもしれない…

※ごめん3回目見たけど、死んだ人皆に当たってた?ので深読みしすぎワロスっぽい。てへりん☆
恥ずかしいので図解付きで言い訳するぞ!余計恥ずかしい気もするぞ!

各章の最後暗転する時、一瞬だけ死者を照らしてた放射状の黄色(白?)の照明の事なのだが、普通のスポットライトなのかそれが「放射状」なのかで大分印象は違う。放射状だとなんか神々しい感じ。
何も意識しないで見ててそれがわかりやすく認識できたのが、小泉さんと狛枝くんのだけだったんだ。
狛枝くんのは「神々しい救世主になろうとしたけど実際は禍々しい何か」的な演出だろうし、やっぱあれは「神々しい光」でいいんだよなーって。
些細なこと深読みマンなうえにひよまひ厨だからこれは勘違いしても仕方ない、仕方ないんだ…

▼舞台としては満足

全体的にこの舞台では、原作で突っ込まれがちだったことをフォローするような改変が多くて大満足なんだが、2章関係は色んなモヤモヤ要素を華麗にスルーすることで、話として綺麗にまとめることを優先した印象だった。
仕方ないんだけど、でもその削ぎ落とされたモヤモヤにこそ大事なものが詰まっていた気がするのは…まあ原作が放り投げたとこだしな。こっちも妄想こじらせてるからな。

あれなんか否定的な感想になってる気が…繰り返すけど全体的には大満足です。
まだまだ書きたい事あるけど一旦ここまで…

■感想1<キャストと2章関係について>
感想2<1章〜5章あたり>
感想3<演出部分とラストまで>
感想4<小ネタとか>